
光技術×バイオDXクラスター
生体物質の挙動を光技術と情報技術の融合により解明する
蛍光プローブや振動分光測定を軸とした光技術とバイオデジタルトランスフォーメーション(DX)を融合することによって、生体内部に存在する様々なタンパク質の間で構築された複雑な機能ネットワーク構造の解明を目的とする。
コーディネーター

坂井 賢一 SAKAI Ken-ichi
公立千歳科学技術大学 准教授・博士(学術)
専門分野
光化学、材料化学
経歴
東邦大学理学部生物学科卒
北陸先端科学技術大学院大学博士課程修了
北海道大学電子科学研究所研究機関研究員
理化学研究所基礎科学特別研究員
信州大学繊維学部産学官連携研究員
所属学会
日本化学会、応用物理学会
生体内低分子化合物や低分子医薬品をベースとした蛍光プローブ開発
生体アミンやビタミン類のような生体内に存在する低分子化合物や、サリチル酸やナフトエ酸誘導体のような低分子医薬品の基本骨格を用いた蛍光色素の開発を進めています。分子内や分子間で構築される水素結合を巧みに活用し、色素の高機能化を目指しています。
キーワード
■蛍光プローブ
■水素結合
蛍光プローブと振動分光を用いて、コラーゲンの劣化機構を解明する
コラーゲンは骨や皮膚を構成する繊維状のタンパク質です。年齢とともにみられる骨の強度や皮膚の弾力性の低下は、コラーゲン分子の間で形成される架橋構造の変化と密接に関係しています。このような変化の追跡に、蛍光プローブを用いた可視化を検討しており、赤外吸収・ラマン分光を専門とする木村教授と共同で劣化機構の解明を目指しています。
キーワード
■コラーゲン
■振動分光
光技術と情報技術を用いて、低分子―タンパク質間の相互作用を解明する
低分子と相互作用するタンパク質群の選択を効率よく大量に行うための手法を開発しています。共同研究者の諸橋教授は、生物工学的に改変したバクテリオファージと次世代シーケンサーを組み合わせてハイスループットな選抜手法を発展させてきました。今後は、光によって構造が変化する低分子を用いることで、例えばがん組織において薬剤と標的分子との相互作用を任意に非破壊的に制御するシステムの構築を目指しています。
キーワード
■バイオインフォマティクス
■システム生物学
■ケミカルバイオロジー