地域創生情報通信技術基盤研究クラスター
研究クラスター事業

地域創生情報通信技術基盤研究クラスター

地域発! IoTの世界を拡げるチャレンジ

千歳市とその周辺地域の持続可能な地域創生を支える情報通信ネットワーク基盤の構成法を検討し、適宜フィールド実験等を行う。また、地域企業と連携して、今後の情報通信ネットワーク基盤を構築する上で期待される光電子集積デバイスの研究開発を促進する。

コーディネーター

coordinator

吉本 直人 YOSHIMOTO Naoto

公立千歳科学技術大学 教授・博士(工学)

専門分野

情報通信ネットワーク、光通信方式、ブロードバンドアクセスシステム、IoTシステム、半導体光デバイス

経歴

北海道大学工学部電子工学科 卒業
北海道大学大学院工学研究科電子工学修士課程 修了
日本電信電話株式会社 入社
 光エレクトロニクス研究所にて、主に通信用半導体集積光デバイスの研究に従事
 NTTエレクトロニクス社光半導体事業部にて、高速半導体光通信モジュールの開発・商用化に従事
 NTTアクセスサービスシステム研究所にて、主にアクセス系光システムの開発・事業導入に従事
2014年より、現職

所属学会

電子情報通信学会、IEEE、OSA、レーザ学会

地域産業・社会のIoT化を拡げる光・無線融合ネットワークに関する研究開発
Beyond-5G時代に向けたオール光ネットワークに関する研究開発

本クラスターでは、2つの大きな目標のもと活動を進めています。

1つが“Smart Nature City ちとせ”のコンセプトに資する地域のIoT化を目指したネットワークの研究開発です。
人や拠点が局在化している北海道に相応しい新しいネットワーク構成の検討や、そこに適用されるデバイス技術の研究開発を推進しています。また、地元企業や行政と連携しながら適宜フィールド実験を行い、その有用性を社会にアピールしています。

もう1つが、Beyond-5G時代に向けた新しい光ファイバネットワークに関する研究開発です。
拠点の局在化・偏在化の課題解決を目指し、光ファイバ通信の持つ高信頼性・低遅延性を活かした遠隔ロボット制御などの検討を行っています。また、空間光無線通信を含めたオール光ネットワークによって、圃場や水中に至る究極のラストワンホップまでカバーする高信頼なネットワークの検討を始めています。

キーワード

■水中光無線通信
■オール光ネットワーク
■ゼロカーボンネットワーク
■ドローン基地局

第一次産業×IoT
地域に根ざした技術開発を通じて社会課題をどう解決するか

北海道の基幹産業である一次産業(水産業・農業・林業)のIoT化が進んでいません。理由として、ネットワーク環境や電力供給の点で制約が大きいからです。

我々は、限られたネットワーク環境を最大限活用しつつゼロ・カーボンなIoTシステムの開発に取り組んでいます。
一例として、水産業では主に養殖業の生け簀の中の観察、農業ではハスカップの生育状況の遠隔リアルタイム観察といったテーマに取り組んでいます。これらのテーマはクラスターの活動として、地元の自治体や他企業様と連携して取り組んでいます。

特に水中を観察する技術は、観光への応用も考えており、水中にドローンを送って支笏湖の湖内探検、千歳川の中にカメラを設置し、サケの遡上をリアルタイムで配信するといった事で千歳市自体のPRにも活かせるのではないか、と考えております。

最近は林業にも関心を抱いています。森林は見通しが良くないので、電波が届きにくく、基本的にIoT環境を構築することが難しいのですが、そこに新たな研究テーマがあると感じています。併せて、林業ではどのような課題があり、IoT化によって解決が可能なのかどうか?近年、林業自体が枝刈りなどの従事者が減って山林が荒れているという話をよく耳にします。特に北海道のような雪国ではどういった影響があるのか、などの情報収集が今後も必要になります。この第一次産業と通信技術とIoT(光センサーなど)をどう組み合わせて社会課題を解決するかという活動を、自治体などの協力をいただきながら新たな取り組みとして行っていきたいと思います。

最先端のオール光ネットワーク技術を用いて地域に貢献する新たなサービスの提案

北海道の地域的な特徴として、人口や拠点の局在化・偏在化があります。
医療や教育、ものづくりの現場にとって、限られた人材を有効に活用するためには、これら局在する拠点を情報通信ネットワークで結び、遠隔からの作業を可能とすることが求められています。
この課題解決を目指し、光ファイバ通信の持つ高信頼性・低遅延性を活かし、遠隔からロボットや製造機器の制御が可能な通信方式についての研究を行っています。
千歳市役所と研究室とを結ぶ光ファイバを活用した実環境試験などを通じて、技術の実現性を突き詰めています。また、通信事業者の計算機リソースのサブスクリプションサービスの活用なども検討を進めています。

北海道地域のネットワーク環境に対する課題として、光ファイバ回線の未提供地区への対応が挙げられます。そこで、既存の光ファイバーのネットワークを拡充する方法として、光ファイバーが届かない数百メートルの領域に無線技術を活用する「光と無線の融合」について取り組んでいます。
最近では、光ファイバーを利用可能なところまで最大限活用し、残りの領域を光ビーム(光無線)でカバーするオール光ネットワーク化により広いエリアで高速・大容量なデータを取り扱うことが可能なIoTサービスの検討を行っています。

キーワード

■Smart Nature City ちとせ構想
千歳市の豊かな自然がもたらす生態系サービス(水・緑・温泉)を生かした“持続可能なまちづくり”に向けて、千歳市が抱える課題を抽出し、公立千歳科学技術大学が持つ科学技術の活用で、自然環境との共生を可能にする持続的な循環型地域を展開し、環境、経済、社会の自律的好循環を目指した地域創生へと繋げていく取り組み

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